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ITディレクターについて:2 マネージメント

ITディレクターとプロジェクトマネージャの違いについて

作成日:2021年8月9日、更新日:2021年8月20日

はじめに

前回は「ITディレクターはどんな事をする人?(概要)」というタイトルで、「ITディレクター」の役割の概要について紹介しました。
今回は筆者が現場で感じた「ITディレクター」と「プロジェクトマネージャ」の違いに焦点をあてることで、「ITディレクター」の役割についてより具体的に紹介できたらと思います。

この記事を読む際の注意点

システム開発において「役割名」が同じでも、会社や現場によって「役割」が異なることはよくあります。
記事の内容は筆者の経験を基に記載した、一例として読んで頂ければと思います。

ITディレクターとプロジェクトマネージャのプロジェクトへの関わり方

担当プロジェクト数
「プロジェクトマネージャ」は2〜5程度のプロジェクトを担当します。
「ITディレクター」は1〜2程度のプロジェクトを担当します。

技術的課題への関わり方
「プロジェクトマネージャ」は技術的課題を把握していますが、解決については他のメンバーに任せます。
「ITディレクター」は「テックリード」や「エンジニア」と共に技術課題の解決に主体的に関わります。

開発スケジュール
「プロジェクトマネージャ」はマイルストーンを設定します。
「ITディレクター」は設定されたマイルストーンが現実的かを確認し、問題なければWBS・ガントチャートを作成します。

進捗管理
「プロジェクトマネージャ」はマイルストーンが達成できそうかを把握し、問題があれば増員・リスケ等のケアを行います。
「ITディレクター」は「エンジニア」と密にコミュニケーションをとり、詳細な進捗状況を把握します。

契約手続きへの関わり方
「プロジェクトマネージャ」はプロジェクト推進に必要な各種契約を行います(対クライアント・対開発ベンダー等)。
「ITディレクター」は契約に直接関わることはありません。

メンバーのアサイン
「プロジェクトマネージャ」はプロジェクト推進に必要なメンバーをアサインします。
「ITディレクター」はプロジェクト推進に必要なメンバーのスキルセットを整理し、アサインを「プロジェクトマネージャー」に依頼します。

プロジェクト収支への関わり方
「プロジェクトマネージャ」はプロジェクト収支を具体的な数値で把握し、収益が最大化するようにアクションを行います。プロジェクト収支に対して責任を負います。
「ITディレクター」はプロジェクト収支が良くなるように、開発タスクの最適化を行います。プロジェクト収支に対して責任を負いません(負えません)。

ITディレクターとプロジェクトマネージャーの役割図

筆者の考える「ITディレクターの役割」の図を再掲載します。
「ITディレクター」と「プロジェクトマネージャ」の円に注目して見て頂ければと思います。
ITディレクターの役割

まとめ

今回は「ITディレクター」と「プロジェクトマネージャ」を比較することで、「ITディレクター」の役割についてより具体的に紹介しました。
プロジェクトへの関わり方の傾向として「ITディレクター」は「狭く深く」、「プロジェクトマネージャー」は「広く浅く」といった印象です。

この記事が所属するシリーズ

ITディレクターについて

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ITディレクターはどんな事をする人?(概要)
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不具合発生時のITディレクターの動き方
ITディレクターが持つべきマインド
ITディレクターになるためには

筆者

写真
築山 博
情報系の大学院を卒業し、その後はずっとIT関連の仕事に携わってきました。
「プログラマー/SE」からキャリアをスタートして「チームリーダ」等を経て、現在は「ITディレクター / プロジェクトマネージャ」と呼ばれる役割をこなす事が多いです。
2016年からフリーランスとして活動しております。