はじめに
前回は「不具合発生時のITディレクターの動き方」を紹介しました。
今回は「ITディレクター」が持つべき『マインド』について紹介したいと思います。
この記事を読む際の注意点
システム開発において「役割名」が同じでも、会社や現場によって「役割」が異なることはよくあります。
記事の内容は筆者の経験を基に記載した、一例として読んで頂ければと思います。
ITディレクターは業界知識を学ぶ
ITディレクターはサービス(プロダクト)を取り巻く「業界知識」を学ぶ必要があります。
例えば、「衣類のECサイト構築」のITディレクターを務める場合は、「服飾業界」の知識を学ぶ必要があります。
「服飾業界」の「専門用語」「流通の仕組み」「決済の仕組み」「業務フロー」等を学びます。
「業界知識」を知らずに要件定義やシステム設計を行っても、見当外れのものが出来てしまう事が多いです。
そのため、ITディレクターの仕事を引き受けるときは、業界に興味があるプロジェクトを選んだ方が良いです。
興味がない業界の知識を学び続けることは大変な負担になります。
筆者は「化粧品のECサイト構築のITディレクター」というオファーを受けた事がありますが、「化粧品」に興味が無いため、お断りした事があります。
ITディレクターはクライアントに寄り添う
ITディレクターはクライアントに寄り添い信用される必要があります。
ここで言う「クライアント」とは、サービス主体者を指します。「発注元」「プロダクトオーナー」「企画担当」等と呼ばれているかもしれません。
サービス(プロダクト)に対して最終決定権を持つ人です。
ITディレクターはクライントの良き相談相手になる様に努め、クライアントが抱える「課題」や「将来展望」を共有して貰える様になる必要があります。
「課題」や「将来展望」を正しく理解出来ていれば、的外れな提案をすることは少なくなります。
クライントの良き相談相手になるためにも、先にあげた「業界知識」の学習は重要です。
「業界知識」が無い人間に、自身(自社)が抱える「課題」や「将来展望」を話したくなる事が無いのは容易に想像できると思います。
ITディレクターは開発チームを守る
ITディレクターは下記の様な外的要因から開発チームを守る必要があります。
時には自身が憎まれ役になって開発チームを守ります。
開発チームが疲弊してしまうと、品質が担保できなくなるためです。
・クライアントからの無茶な仕様変更や納期短縮
・開発チームメンバーの移動や兼務要望
・常態化した長時間労働
ITディレクターは謝れる
ITディレクターは直接的には自身が悪くなくても、所属チームや所属組織のために謝る必要が出てきます。
その時に心から謝れないと、話が拗(こじ)れるので、ある意味「謝罪上手」である事が求められます。
まとめ
今回は「ITディレクター」が持つべき『マインド』として、「業界知識を学ぶ」「クライアントに寄り添う」「開発チームを守る」「謝れる」の4つを紹介しました。
他にも持つべき『マインド』はありますが、筆者が現場で働いていて重要だと感じた4つを紹介しました。
読者のご参考になれば幸いです。